研究目的

これまでのプラズマの揺らぎの研究では,構成粒子の速度分布がマクスウェル分布であるという仮定に基づいた統計力学に沿い、プラズマの密度や温度の「実空間の揺らぎ」を対象としてきました。このために、レーザーやマイクロ波、分光装置など、様々な計測器が開発されてきました。
速度分布関数をマクスウェル分布とみなすのは,高密度・低温度の,プラズマ衝突周波数が十分に高い領域では良い仮定となります。一方で,超高温の核融合炉プラズマや、低密度の宇宙・天体プラズマなどでは、速度分布関数が非マクスウェル分布になりうることが指摘されています。

本研究では、この速度空間のひずみの揺らぎという新しい物理量の計測法の実証に初めて試みます。さらにそこから、「位相時空間の揺らぎの相関がもたらす輸送」という新しいパラダイムの構築を図り、プラズマ物理学の未解決問題に迫る新たな研究手法を確立することを、本研究の目的とします。

研究目標

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