設置場所はスウエーデンのキルナのSSC (Esrange Space center) のKEOPS (Kiruna Esrange Optical Platform Site)です。SSCは、衛星との通信を行うパラボラアンテナの基地で、アンテナがある場所は一切撮影禁止となっています。SSCはセキュリティーが厳格な所で、4つのアクセスゾーンに分かれています。我々のアクセス許可範囲は一番下のクラスなので、自由に行けるところは限られていました。観測場所の丘の上まで行くには上のアクセス権が必要なパラボラアンテナの敷地内を通ります。ここはエスコートがないと入れないため、観測場所への往復の際には、SSCの人お願いしました。観測場所までは観測機器を重機で移送してもらいました。かなり大きな機材だったので2回に分けて運んでもらいました。丘の周りは何もなく、丘の上に観測小屋とバルーン用の小さいアンテナがあるだけでした。

(左) エスレンジ・スペース・センターの前 (右) エスレンジ・スペース・センター内のロケットの模型

(左) 宿舎「オーロラホテル」 (右) オーロラホテル前の国旗

観測場所の丘の上までは観測機器を重機で移送     

(左) 丘の周りは何もないところ (右) 衛星用ではなくバルーン用のアンテナなので小さい

 観測小屋は簡素ですが、光回線のインターネットと暖房の設備はあります。(株)分光計器の協力を得て、観測装置を小屋内に設置しました。観測装置は入り口のサイズより大きいので、部品を狭い小屋の中で組み上げるという作業でした。屋根はドーム状の天窓になっています。まずは除振台の上に分光器を乗せて調整を行いました。それを板に乗せ4人がかりで持ち上げて、長さの違うポールに交換しながら天窓直下に来るように設置しました。5月は白夜の時期なのでオーロラは見えませんが、作業をするには暖かくて助かります。冬は暗くてマイナス30度にもなるので、屋外での作業はできません。 天窓の直下に2次元分光器用のカメラ、液晶波長フィルター用のカメラのレンズが天頂に向いて、オーロラの発生を待っています。オーロラのシーズンは9月から始まります。

(左) 調整前及び (中央) 調整後の観測装置、(右) 観測装置のヘッド部

(株)分光計器の協力を得て観測装置を小屋内に設置。小屋の上にはドーム状の天窓。